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この記事を読んで欲しい人
- 不動産投資に興味を持っている人
- 不動産投資をしようか迷っている人
- 不動産投資をしているがうまく入っていない人
この記事で得られること
- 不動産投資歴10年で得た不動産投資に関する知識
- 不動産投資で成功するための秘訣
- 不動産投資をするときに注意すべきこと
私は不動産投資をして10年くらい経ちます。
具体的には、マンションやアパートの1棟買いではなく、マンション1室を購入する区分所有投資です。
マンション投資で儲けようとするなら知識と経験が非常に重要です。
また、計画通りに収益を得るためには、投資して終わりではなく、投資した後の努力も必要です。
10年くらいの不動産投資経験を振り返りつつ、不動産投資についての感想をまとめてみたいと思います。
私の不動産投資の状況
不動産投資を始めたのは、証券会社時代です。
証券会社では、株式投資をするには申請を出す必要があり、制限もあったので、制限のない投資にチャレンジしてみようと、当時の同僚と一緒に不動産投資を始めました。
26歳か27歳の頃です。
それ以降も定期的に購入し、現在、京都4室・大阪4室の計8室を所有しています。
マンション投資は、マンションにお金を投資して、入居者からもらえる賃料とマンションの売却で得られる利益により、投資した資金を回収して利益をあげる投資です。
ただ、私はまだ物件を売却したことはなく、入居者からの賃料と、不動産投資の経費を計上し、確定申告をすることによって受けられる税金の還付が収益という感じです。
持っている8件のローンを合算すると1.3億円ほどの借入になります。
歴史的な低金利が続き、いろいろな金融機関が不動産投資ローンを取り扱うようになり、借り入れをすることの難易度は非常に下がっていると思います。
ちなみに、私は、その他にも、自宅と実家の借入もあるので、トータルすると1.8億円ほどの借金があります。
まさに、借金大王。
借金をすることに抵抗のある人は、そもそも不動産投資には向いていません。
不動産投資の魅力は、少ない金額で大きなリターンを得られるレバレッジです。
そのレバレッジ効果を得るためには、銀行からいかに大きなお金を借りるかが重要になります。
不動産投資では、不動産購入代金の全額を借りるフルローンや、購入金額以上の借り入れをするオーバーローンを目指しましょう。
不動産投資のメリット・知っておきたいこと
マンション投資は元手はいらない
マンション投資の話をすると「そんなにお金あるんですか!」と驚かれます。
すごくお金がかかるように思っている人が多いですが、そんなことはありません。
開始時には、最低10万円あれば、あとはすべてローンでなんとかなります。
それ以外にかかる費用は、
- 契約後しばらく経ったのちに1回のみ不動産取得税(1室で10~20万円)
- 保有する限り毎年固定資産税・都市計画税(1室で5〜10万円)
くらいです。
なお、これらは不動産所得にかかる経費として、不動産所得から差し引くことができます。
減価償却費用なども含めて、不動産所得の収支がマイナスになれば、確定申告をして給与所得から差し引くことができ、源泉徴収された税金の還付を受けられます。
これがいわゆる不動産投資による節税です。
マンション投資は保険の代わりになる
不動産投資のローンでは、団体信用生命保険(団信)がついています。
これは、もし自身に万が一があった場合には、借入がすべてチャラになり、不動産が遺族(私の場合、妻と子ども)に相続されるというものです。
団信によって、遺族はローンが完済された投資用マンションから家賃収入を受け取り続けることができます。
これが不動産投資のセールストークの保険の代わりになりますの説明です。
不動産投資のセールストークは、
- 節税できます
- 保険の代わりになります
- 年金の代わりになります(ローン返済終わってもそのまま家賃を受け取り続けられるので)
あたりが一般的です。
(他にも相続対策とかもありますが)
サラリーマンの不動産投資のメリット
サラリーマンが不動産投資をすることによって得られるメリットとしてよく言われることは、次のようなものです。
- 金融機関から資金の借り入れをすることで、少ない元手で大きな成果を狙えるレバレッジ効果を得られる
- 生命保険の代替機能があり、保険料の支払いの節約ができる
- 不動産購入後は、管理会社に管理を任せられるので、忙しいサラリーマンであっても手間がかからない
- 損益通算をすることで確定申告すれば、節税効果が得られる
私の場合はどれも当てはまりますが、2.に関しては、生命保険はいまだに目一杯契約しており、保険料の支払いの削減にまでは至っておりません。
私の家族に不動産投資関連の知識があるわけではないので、万が一に備えて、保険で準備するという選択肢をなくせていないのが実情です。
マンション投資の感想
マンション投資は投資というよりも経営
「マンション投資は実際にやってみてどうなの?」ですが、正直、不動産投資は、株式や投資信託などの証券投資、FXなどの投資とは同列に考えるべきでなく投資というよりは経営というのが率直な印象です。
貯金や証券投資は基本PL的な考えで、収入から生活費など出費を引いて残ったお金(余資)を殖やすという感じです。
しかし、不動産投資、特に私のように全額フルローンで購入する場合は、資産・負債・純資産で考えるBS的な感じになります。
そして、預貯金・証券投資の場合は余ったお金の運用ですが、不動産投資は自身の社会的信用を使ってマネタイズするという印象が強いです。
私がなぜ上記の1.8億円という金額を借入できるのかというと、それは決して私がお金持ちだからではありません。
上場企業グループにて9年働いていて、持ち家があり、妻と子どももいるから、きっとこれからも働き続け、サラリーマンとして給料をもらい続けるから、お金を貸してもちゃんと返済してくれるだろう、という判断(審査)を銀行がしているから、私はお金を借りられています。
つまり、私にとっての不動産投資は、元手がない状態で自分の社会的信用を担保にお金を借りて、そこからお金を生み出す、言うなれば錬金術のようなものです。
こういった少額の元手で大きな取引をすることをレバレッジをかけた投資と言います。
証券投資では信用取引で元手の3倍、国内のFXだと最大25倍のポジションを持てますが、不動産投資のレバレッジはそれらとは比較にならないものだと思います。
結局マンション投資はおすすめなのか?
それらのことも踏まえて、結局、「マンション投資ってどうなの?おすすめなの?儲かるの?」的な話をするとまったくおすすめしません!(笑)
不動産投資には厄介な点がいくつかあるのですが、一番は、個別事情が多いので、教科書的な正解、定石のようなものが証券投資などよりも少なく、経験から学ぶことがあまりにも多い、ということです。
私も最近になってやっと、自分なりの投資スタイル・戦略が確立できましたが、それでも不安な点は多いです。
特に、不動産の売買においては、一物一価でその時の売主や買主の意向に左右されて値段は変わり、不動産価格は有って無いようなものです。
また、賃貸において、賃借人が個人の事情で退去しても大家としてはどうしようもないです。
多数の取引参加者がいて、マーケットが確立している株式投資とかのほうがよっぽど安心だと思います。
あと、不動産投資は、不動産の売買契約とか、毎年の確定申告、そのための収支管理とか、面倒なことも多いです。
それでもなお、なぜ私は不動産投資をするのかというと、
- 自分を担保にお金を借りてお金を稼げれるならそれがいいやというタイプなこと
- 確定申告などの細かなことが性格的に好きなこと
からだと思います。
不動産投資と仕事観
私の仕事観の話になりますが、大学時代は飲食店でバイトをしていて、そのときは時給で、自分の時間を投資して、その対価としてバイト代をもらっているなと思いました。
お金を稼ぐために、時間を捧げる、という感じです。
その後、新卒で入った会社がなくなって、好きでもない会社で働いているときも、時間通りに出社して退勤して、お金をもらうために会社にいる=時間を会社に費やす、という印象が強かったです。
それに対して、転職後に事業の立ち上げをした時は、異常なほど働きました。
もし、時給換算していたらとんでも少ない金額だったでしょう。
ただ、そのときは自分の時間を使って、その対価にお金をもらおうという気持ちは皆無でした。
それよりも、自分の能力・スキルを使って、成果につなげて、それでお金を稼ぐんだという気持ちでした。
それに近い感じで、不動産投資をすることは、自分の信用を使って、お金を稼ぐんだという気持ちでやっています。
不動産投資で成功する方法
不動産投資をするための心構え
キャピタルゲインは狙わずに、インカムゲイン(家賃収入)の積み上げとキャッシュフローを意識する
この点が株式投資などキャピタルゲインを狙う投資との大きな違いで、かつ、なかなか周り勧めづらい要因な気がします。
家賃収入をほど毎月安定的に受け取れる収入はないと思うので、将来の経済的自立を目指すにあたって、フローの部分での貢献は非常に大きいと思っています。
不動産投資のお金の流れを理解する
不動産投資で重要なことは、いかに税引き後キャッシュフローを残すかです。
そのためには、まず、不動産投資のお金の流れを理解すべきです。
▼不動産投資のお金の流れ
不動産投資のキャッシュフローは、 ①賃料 - 租税公課 - 銀行への返済 です。
そして、不動産投資の利益は、 ②賃料 - 租税公課 - 銀行への利息の支払い - 減価償却費 です。
そして、税引き後キャッシュフロー = ① - ( ② × 税率 ) となります。
このお金の流れを前提に、不動産投資で成功する方法を考えてみましょう。
賃料
賃料は、不動産投資において、多いにこしたことはありません。
不動産投資において、一番怖いのは空室です。
できるだけ空室が生じないような工夫や、空室ができた場合にすぐに埋めるような努力は必要になります。
また、賃料アップもチャンスがあれば、狙いたいところです。
租税公課
不動産投資で支払う税金のことです。
取得時にかかる収入印紙代、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税などがあたります。
固定資産税は、自分が計算して申告する税金ではなく、市町村が計算して通知してくる賦課課税方式の税金です。
税金はできるだけ減らしたいところですが、固定資産税を交渉するのは不可能でしょう。
銀行への返済
銀行への返済は少なければ少ないほど、お金を残すことができます。
銀行への返済額を減らす方法は、次の3つです。
- 借入額を減らす
- 借入期間を長くする
- 金利を低くする
銀行への利息の支払い
不動産投資では建築物などの土地以外への支払い金利を経費として計上できます。
元本返済部分は、負債が減っているだけなので、経費計上はできません。
取得時の諸経費を含めて、物件の購入価格以上の借り入れをするオーバーローンの場合でも、諸経費部分の金利を経費計上することは可能です。
減価償却費
減価償却とは、建物や設備などの固定資産を購入したときに、毎年、価値を減らしてその分だけ、経費計上することができる制度です。
つまり、減価償却費は、実際は支払いが発生しない会計上の計上です。
減価償却費は、多ければ多いほど、利益を減らすことができますので、その結果、税金は少なくなり、税引き後キャッシュフローを多く残すことができるようになります。
ただし、建物は減価償却費として計上できますが、土地は減価償却することはできません。
税率
税金は、少なければ税引き後キャッシュフローは多くなります。
自身の給与所得や不動産所得が多くなれば、税率は高くなり、税金は増えてしまいます。
不動産投資以外の節税の知識もしっかり身に付けておきたいところです。
その他にかかる経費
上記では、キャッシュフローをシンプルに示していますが、実際は、その他にも経費として、支出が伴うものの経費計上できるものがあります。
主なものとしては、
- 仲介不動産会社に支払う仲介手数料
- 司法書士へ支払う登記手数料
- 金融機関へ支払うローン手数料
- 建物管理会社に支払う管理費・修繕積立金
- 賃貸管理会社に支払う管理手数料
- エアコンなど付属設備が故障したときの修理費
- 入居者が退去した時のリフォーム費用
それ以外にも、
- 不動産投資に関するセミナーへの出席にかかる費用
- 不動産投資に関する書籍代
- 投資先の物件への交通費
なども経費として計上できます。
銀行借り入れの借入期間
銀行からの借入期間が長いと、毎回の返済金額は小さくなるため、キャッシュフローを残すことができます。
ただし、何年でも設定できるかというとそういうわけではなくて、最長35年程度です。
いっとき、オリックス銀行で45年ローンが発売されましたが、どうも販売中止になってしまったようです(残念です)
物件選びのテクニック
不動産投資においては物件選びがとても重要です。
物件選びで大事なことは、不動産投資においては、間違いなく立地でしょう。
不動産投資において、もっとも避けるべきは空室です。
その空室を避けるためにもっとも重要なのは立地です。
立地において、気をつけるべきことは、以下のことです。
- 人口増加エリア
- 駅近
- ブランド価値のあるエリア
- 学校が多いエリア
- 地盤が安定しているエリア
1.人口増加エリア
日本では、今、少子化による人口減少が進んでいます。
そのため、そのリスクを懸念して、不動産投資に対して、消極的な人もいることでしょう。
ただし、全部の地域が軒並み人口減少するかというと、そうでもなく、減る地域もあれば、人口が増える地域もあり、投資先の不動産のエリアの選定は非常に重要です。
また、晩婚化によって、単身世帯は増えていくことが予想されるので、その点、ワンルームマンションへの投資は、安定的な投資先として注目されると思います。
私は、現在、土地勘があることもあり、大阪と京都に絞って投資を行っています。
2.駅近
物件を借りる側からすると、やはり、駅に近いことは、物件を選ぶ上で、重要な点です。
できれば、駅から徒歩10分以内の物件を選びたいところです。
3.ブランド価値のあるエリア
投資先の不動産を選ぶ際には、ブランド価値のあるエリアの物件を選ぶことで、高い家賃水準を期待することができます。
また、比較的、価格の下落リスクも低くなります。
4.近くに大学があるエリア
ワンルームマンションでは、学生も重要な借主候補です。
学生の場合、両親が保証人となることが多く、家賃賃貸リスクは低くなります。
4年くらいの周期で入れ替わりは発生する可能性がありますが、魅力的な物件ならすぐに埋まることでしょう。
最寄り駅でなくても、自転車で通えるエリアなら検討する価値はあるでしょう。
青色申告について
私はまだ青色申告はしておりませんが、時がくれば、青色申告に変更する予定です。
具体的には、青色申告の事業的規模の基準とされている5棟10室が達成できた時です。
私は今、7室なので、あと3室購入すれば、青色申告の基準になります。
青色申告では、次のようなメリットがあります。
青色申告特別控除
青色申告で、損益計算書と貸借対照表を添付して申告することで65万円の所得控除が可能です。
ただし、青色申告特別控除は、不動産所得が赤字の時には適用できません。
専従者給与
専従者給与とは同居している親族へ支払う給与のことです。
支払った額は、所得から差し引くことができます。
ただし、次のような条件があります。
- 兼業は認められない
- 同居の親族に限る
- 支払える額は業務に対応した金額まで
- 16歳以上
私の場合は、妻が会社員、子が10歳なので、専従者給与は今現在では対象外です。
なお、専従者給与の支払いについては、事前に税務署に届けることが義務づけられています。
事務所費の計上
自宅が自己所有のケースでは、一部を事務所として、減価償却費として計上できます。
親族が所有している設備機器を使用するケースでは、設備賃借料を計上できます。
3年間の赤字繰り越し
青色申告の場合、欠損金(赤字)を3年間繰り越すことができます。
不動産投資で参考にしている本
借金パワーで金持ちになる!―サラリーマンがゼロから始める資産形成
まとめ
不動産投資を10年やってみて感じたこと、仕入れた知識をまとめてみました。
個人の信用を担保にお金を借りて運用するなら、不動産投資が一番やりやすいと思います。
また、うまく運用すれば、節税効果も大きいです。
ただ、大きな金額の借金を背負うことになりますので、それに対して、抵抗がある人にはお勧めすることはできません。
みなさんの参考になりましたら、幸いです。