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FIREとは何か?
具体的に早期リタイアの方法について話す前に、このサイトは FIRE という考え方を元にしておりますので、 FIRE について説明します。
今、アメリカで FIRE という言葉に表されるムーブメントがあります。
この FIRE は、
Financial Independence(経済的自立)
と
Retire Early(早期リタイア)
の頭文字を取ったものです。
これは、
不労所得だけで毎年の生活費を賄える状態を目指し、そのために、節約に励み、しっかり貯金・投資をし、できるだけ早くリタイアを目指そう!
その結果、お金の悩みから解放され、お金のために働くことを辞めよう!
という考え方です。
この場合のリタイアは、二度と働かないという意味ではなく、十分なお金を持っているため二度と働く必要がないという状態を指しています。
私(1983年生まれ)の世代でも、20歳~65歳まで毎日8時間の会社勤めをして、お給料をもらい、貯金に励み、そして、65歳でようやくリタイア、という姿が一般的だと思います。
しかし、この FIRE という考え方は、そのような定説にNoを突きつける新たな考え方です。
このような 仕事、お金、リタイア に関する従来の考え方は、大半が間違っていたり、時代遅れです。
両親やさらに上の世代がやってきたことをそのまま踏襲して、我々の世代でもそういったやり方を受け入れてきたかもしれません。
しかし、これらの考えは、もう時代遅れなのです。
従来のリタイアに対する誤った考え方
従来のリタイアに向けたアプローチは、
仕事をして、給料の一部を貯金し、退職の際に退職金をもらい、60代でリタイアできる
という設計になっています。
しかし、このアプローチには、大きな問題があります。
それは、
- 人生の貴重な活動的な時期を仕事メインで過ごすことになる
- できるだけ早くリタイアするという考えではない
- リタイアした後にどのように生きるのかを考えていない
という点です。
約40年間働き続け、リタイア後に労働の果実を享受するのは、決して不幸とは言えないでしょう。
ただ、約40年間という人生の半分くらいの時間がお金を稼ぐための生活になってしまいます。
また、いざ、リタイアするとなったときに余生をどう過ごすかはとても重要です。
人生のほとんどの時間をお金を稼ぐために働き続けてきた場合、仕事という日課が突然なくなったときに、果たして、充実した日々を送れるのでしょうか?
ほとんどの人は、リタイアできるように懸命に働いているものの、リタイア後に何をしたいかについて考えていないのではないでしょうか。
周りに20代・30代で早期リタイアをする人がいなければ、従来型のリタイアメントプランニングを定説として何ら疑うことなく、そのままそれをなぞるように生活しているかもしれません。
しかし、その結果、この社会においては、選んでもない人生を生きて、お金を稼ぐために働き、自分の夢を先延ばしにしたり、あきらめている人があふれているのです。
まずは、従来の
リタイアにつながる確実な道は、数十年間、安定的な給与を稼いで、老後のためにその一部を貯金する
という考えを捨てましょう。
確かに、全員が全員目指せるものではないかもしれません。
年収が非常に少なければ、年収の高い人のように貯金することができないので、早期リタイアすることは難しく、より努力、想像力が必要になるでしょう。
ただ、しっかり稼げるやり方を見つけることに重点を置けば、可能性は十分にあります。
しっかり稼げる方法を見つけて、収入を増やし、より多くのお金を投資に回すことで、より早く経済的自立にたどり着けます。
時間>お金という考え方
また、FIRE の考え方の根本には、お金<時間という考え方があります。
自分の時間を犠牲にしていませんか?
ほとんどの人は、生活に必要なお金を稼ぐために、自分の時間を差し出して、自分の時間を犠牲にしているのではないでしょうか?
ただ、もし、お金のために働く必要がなければ、好きなようにその時間を使うことができます。
コチラの調査によると、「なぜ人間は働くのだと思いますか?」という問いに対して、82.4%もの人が「生活していく(生きていく)ため」と回答しています。
人生のうち、かなりの時間を費やす仕事に対して、このような気持ちで働いているという状態は、悲しいことだと思います。
このような現状に対して、FIREは、
誰もが自分の嫌いな仕事をしたり、家計のやりくりで悩んだりして、人生の貴重な時間を無駄にすべきではない
と考えます。
十分な額のお金を手に入れることによって、自分が望む人生を自由に生きることができるようになり、ストレスが少なく、選択肢が多く、あなたを幸せにしてくれる人やものにより多くの時間を割くことができるようになります。
お金のために働く必要がなくなったとき、あなたは何をしますか?
ぜひ、一緒に早期リタイアを目指しましょう!
お金は無限、時間は有限、時間を無駄にしてはいけない
もし、お金を有限で希少なものと考えてしまうと、チラシを見て少しでも安い品物を買うために遠くのスーパーに出かけるなど、お金を節約しようと貴重な時間を浪費してしまいがちになります。
また、通勤時間も含めて、仕事に使っている時間もあなたの貴重な時間を使っています。
仕事から帰って、疲れた身体を癒すために、リラックスしてテレビを見ている時間も広義に見て、仕事に使っている時間を言えるかもしれません。
仕事がつまらないと思っている人が嫌いな仕事に週40時間以上使っている
のと、
仕事が楽しく熱意を持っている人が必要な時間だけ仕事をして他の時間は自由に使える
のとでは、人生の幸福度において、天と地ほどの差があります。
時間はとても貴重です。30代、40代の時間は一度しかありません。
その時間を好きでもない仕事に費やすのか、自分でコントロールして自由に使えるのとでは、大きな隔たりがあります。
また、資産運用の観点でも、若いうちから、投資にお金を回していないことは、資産を大きく増やす機会を失っていることになります。
若いうちから、投資を始め、もっと長く投資に回していれば、資産は複利でどんどん増えていきます。
より多くのお金を稼いで、そのお金を最大限活用する機会をうまく利用すれば、ずっと多くの資金を貯めることが可能です。
より早く始めて、より多く稼いで、より多く貯金することで、より早く経済的自立に到達することができます。
それによって、結果的にもっと多くの時間を節約できることになります。
なぜなら、今日投資した1,000円、10,000円が複利で増えていくことで、将来のあなたの数時間、数日間を働いて稼がなくてすむからです。
今日投資したお金は、将来の自由の価値を持つことになります。
お金と時間の関係
実は、より多くのお金を稼ぎたいからといって、より多くの時間が必要になるということはありません。
ちょっと見渡してみれば、自分の半分の時間で、自分の倍のお金を稼いでいる人はすぐ見つかるはずです。
確かに、業務内容、役職などによる違いもありますが、長期にわたる収入源を持つことでそれを達成している人もいることでしょう。
また、自分投資している人も、お金を増やすためにたくさんの時間を使っているというわけではありません。
株式市場に投資していれば、お金を増やすのに積極的に何かをする必要はなく、お金が時間とともに勝手に増えていきます。
いわゆる 不労所得 です。
お金のために、時間を切り売りする必要がない状態になれば、その時間は好きなように使えます。
収入が高いけれどもやりがいのない仕事を辞めるということもできるようになります。
世界を旅したり、新たな趣味を始めたり、慈善活動をしてもよいでしょう。
漁師と億万長者のコピペで考えるFIREの話
幸せについて考えるうえで、有名な話の1つに漁師と億万長者のコピペがあります。
この話は私の大好きな話の1つです。
- 働くとは何なのか?
- お金とは何なのか?
- 幸せとは何なのか?
といったいろいろ面からの示唆が与えられます。
読む人によって感じることはさまざまだと思います。
もし、FIREの観点で読むと、一見お金持ちになる前の今の漁師とお金持ちになった後の漁師は、やっていることは同じなので同じ状態に見えますが、全然違うことがわかると思います。
お金持ちになる前の今の漁師は、日々を楽しんでいるように見えますが、「お金の不安」を抱えた状態です。
- もし、魚が獲れなかったらどうするのか?
- もし、自分が病気やケガで魚を獲れなくなったらどうするのか?
- もし、子どもが学費の高い学校に行きたいと言ったら行かせられるのか?
- もし、自分が生きがいを見つけて、それを心からやりたいと思ったとして家族を養いながらできるのか?
など、何か変化が起きた時に、今の生活を続けられなかったり、今の生活ではあきらめざるを得ないものがたくさんあると思います。
一見安定して楽しく暮らしているようで、実は綱渡りの生活を送っているのです。
それに対して、お金持ちになった漁師は、さまざまな選択が取れる状態の中で、あえて、
海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごす
という選択をしているのです。
これらはまったく異なる状況だと私は思います。
私は、なぜ、FIREを目指すのか?
私自身、あと数年、具体的には、現在私は37歳で40歳にはFIRE達成ができると思っています。
ただ、どのように生きるべきか、何を楽しみに生きるのか、つまりは自身の幸福度を最大にするためにどうすべきなのか?については、まだ明確に決まっているわけではありません。
早期リタイアしたい理由は?といろんな人に聞いたら、
- やりたくないも仕事を続けたくない
- 好きなときに家族と旅行がしたい
といった回答がありそうです。
私の場合はやりたくないことをやらなくてすむ、あるいは、やりたくないと言えることが、人生において最も贅沢だと思うからです。
私自身、会社員ながら、不動産収入込みとはいえ年収3000万円を達成したので、会社員という働き方は向いていたと思います。
しかし、それは、本当はやりたくないことも、会社員として粛々とやり、成果を出し続けた結果に他なりません。
給料を上げるという目的のために、やりたくないこともやるという手段を選ぶのは、当時は非常に合理的な判断だったと思います。
しかし、徐々に仕事の目的が給料を上げることから、自分の精神衛生を高い水準で維持することに移りつつあり、やりたくないこともやるということが苦痛になってきました。
そのことが、上記のやりたくないことをやらなくてすむ、あるいは、やりたくないと言えることが、人生において最も贅沢だという考えにつながっています。
これは自己決定権と言われるものです。
2021年3月21日の日経ヴェリタスのマネー研究所の大江英樹氏のFIREに関する記事が、当時の私にFIREについて考えるきっかけをくれたので、その記事の内容も踏まえて書いていきます。
人生を充実させるための自己決定権
シーナ・アイエンガー『選択の科学』という本の中に次のような内容があります。
社長は長生きする
職業階層の高さと仕事に対する自己決定権の度合いが、直接的に相関していたことにあった。
上役はもちろん収入が高かったが、それより大事なことに、自分自身や部下の仕事の采配を握っていた。
企業の最高経営責任者にとって、会社の利益責任を負うことは、たしかに大きなストレスになるが、それよりもその部下の、何枚あるかわからないメモをページ順に並べるといった仕事の方が、ずっとストレスが高かったのだ。
仕事上の裁量の度合いが小さければ小さいほど、勤務時間中の血圧は高かった。
この内容の意味するところは、選択の自由度、すなわち仕事の差配に関する自分の決定権が大きいほど、健康に良い影響を与えるということです。
会社員が早期リタイアに憧れる大きな理由の1つに、今の仕事の自由度が少なく、仕事が苦行と感じてしまっているということがあるでしょう。
会社員は、いくら気分が乗らなくても、毎日夕方まで身体が拘束される仕事で、自由度はほぼありません。
そんな生活が何十年も続けば、早期リタイアに憧れるのも仕方ないかもしれません。
本多静六の言葉
明治から昭和にかけて、植林や造園、産業振興など多方面で活躍し、投資によって財を成した人物に本多静六という人物がいます。
その人物が書いた本に『私の財産告白』という本があります。
その本の中に次のような文章があります。
人生の最大幸福は…
私の体験によれば、人生の最大幸福は職業の道楽化にある。
富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない。
道楽化をいい換えて、芸術化、趣味化、娯楽化、遊戯化スポーツ化、もしくは享楽化等々、それはなんと呼んでもよろしい。
すべての人が、おのおのその職業その仕事に全身全力を打ち込んでかかり、日々のつとめが面白くてたまらないというところまでくれば、それが立派な職業の道楽化である。
早期リタイアして、苦行から逃れて、好きなことをして暮らしたいという欲求は強いですが、いざそうなってみて何年も経つと、現役時代のような辛い毎日ではないにしろ、つまらない生活にうんざりしまうかもしれません。
FIREを達成して完全にリタイアするというの手もありますが、「給料」という仕事を選ぶ上での最大の制約条件を取っ払った上で、自分が本当にやりたいことをやるというが、幸福度を最大にできる選択かもしれません。
私は、FIREを達成した時に、どういった選択をするのか?将来の自分に対して、不安はありつつも、ワクワクしています。