3分でわかる!DC(確定拠出年金)とは?DCとNISAをうまく使う方法について解説!

そもそも企業年金とは?

企業年金とは、企業が従業員のためにもうけている任意の年金制度です。

日本の年金制度は3階建てで、

  • 1階部分 … 全国民が加入対象になる国民年金
  • 2階部分 … 会社員らが報酬に応じて受け取る厚生年金
  • 3階部分 … 企業年金

となっています。

この3階部分の企業年金には、約1,500万人が加入しています。
大企業で多いのは、将来の給付額を約束する確定給付型で、予定した運用利回りを下回った場合は、企業が資金を追加拠出します。

2つ目は、従業員が自ら運用商品を選ぶ確定拠出型で、預金や保険、投資信託などから従業員が選択します。
運用次第で、将来の給付額が変わり、将来受け取る年金が減ることもありますが、企業から見ると、確定給付よりも負担が軽く、確定拠出を選ぶ会社は増えています。

そして、新たに2017年にできたのが、第3の企業年金であるリスク分担型です。
オランダで同様の制度があり、厚生労働省が制度設計の参考にしました。
リスク分担型は、運用リスクを企業と従業員が分かり合うかたちでです。
企業は、現在の確定給付型に比べて、多く掛け金を出す代わりに、景気が悪化して運用が不調になり、目標利回りに届かなければ、将来の年金額が減ります。

特徴 運用リスク
確定給付型 企業が将来の給付額を加入者に約束する。
運用損失を抱えたら企業が穴埋めする。
企業
確定拠出型 個人が運用方法を選択する。
運用実績によって年金額が変わり、目減りする可能性もある。
個人
リスク分担型 企業が掛け金を多めに出す代わりに、大きな運用損失が
発生したときには柔軟な給付減額ができる。
労使で折半

確定拠出年金とは?

確定拠出年金は、老後の年金生活を支える目的で2001年に導入された国民年金や厚生年金に上乗せする私的年金の1つです。

上記のように、日本の年金制度は3階建てで、自営業者らが入る国民年金(基礎年金)が1階、会社員らが入る厚生年金が2階、確定拠出年金などの私的年金は3階にあたります。
現在、国民年金で40年間の保険料を納めて、満額受給する人の場合でも、受取額は月約65,000円です。
厚生年金は、標準的な夫婦世帯で月約221,000円ですが、支給額の低下は避けられないでしょう。
そのため、老後に備えた資産形成の必要性が高まっています。

確定拠出年金は、原則60歳まで引き出せませんが、掛け金が所得税の控除対象になるなどのメリットがあります。
掛け金を運用する金融商品は加入者自身が決め、運用が好調だと将来の受取額が増えますが、運用に失敗すると元本割れすることもあります。
あらかじめ給付額が決まっている確定給付年金は企業が損失を埋めてくれますが、確定拠出年金では個人の責任となります。

企業型と個人型(iDeCo)の確定拠出年金の違い

確定拠出年金には、掛け金を企業が払う企業型と個人が払う個人型(iDeCo)があります。

企業型 個人型(iDeCo)
加入 会社が退職金制度として
導入している場合に加入
任意加入
加入者数 約648万6000人
(2017年1月末時点)
81万7248人
(2017年2月末時点)
資産額 10兆5254億円
(2017年3月末時点)
1兆3814億円
(2017年3月末時点)
掛け金 会社が負担 自分が負担
納付方法 会社から納付 口座から振り替え
運用商品 会社が用意する商品から選ぶ 金融機関が用意する商品から選ぶ

そして、詳細は次のように分けられます。
なお、数字は2016年9月時点です。

企業型
(約2万4000社が導入、580万人が加入)
個人型
(約29万人が加入)
原則 選択制
(一部で採用)
マッチング拠出制
(一部で採用)
掛け金の仕組み 会社が従業員のために掛け金を拠出する 従業員が選べば会社が掛け金を拠出する
選ばなければ給与などのかたちで支給する。
会社が拠出する分に上乗せして会社分と同額まで従業員が掛け金を拠出可能 個人単位で自主的に加入して掛け金を拠出する
掛け金の上限額 月5万5000円(他に企業年金を持たない場合)
月2万7500円(他に企業年金を持つ場合)
月6万8000円(自営業者など)
月2万3000円(企業年金のない会社員など)
税制優遇 拠出時、運用時は原則非課税
受給時も優遇

企業型DC

投資を始めるならまずは確定拠出年金DCを使うと良いでしょう。
一般的に、証券会社や銀行で金融商品を売買して利益が出たり、配当金をもらったりすると、20.315%の税金がかかります。
しかし、DCなら非課税になります。

企業型DCの選択制

企業型DCでは、通常、会社が対象者全員の掛け金を拠出します。
ただし、選択制というものがあり、選択制は従業員が掛け金を出してもらうか、掛け金を出してもらわない代わりに、その分を給与などとして受け取るかを選ぶ仕組みです。

給与としてもらう場合には、所得税や社会保険料がかかります。
一方、会社負担の掛け金に変更すると、税務上は収入にあたらず、所得税や社会保険料がかかりません。

DCの掛け金を増やせばその分節税効果があるとは限らない

DCの掛け金を増やせば、メリットがその分大きくなるとは限りません。
もともと住宅ローンの税額控除で引き切れていない場合はDC掛け金での節税効果は少ないですし、扶養控除や医療費控除などで所得税率が下げれば、掛け金の節税効果も下がります。
DCの掛け金を決める際には、まず自分がどのくらい税金を納めているのか確認をしましょう。

DC受取時の税制

DCを一時金でもらう場合には、退職金と合算して退職所得として課税されます。
勤続30年で1500万円、40年で2200万円の所得控除がありますが、大企業では合算額がこれを超えることが少なくありません。
そのため、大企業に勤める会社員は、DCの資産を受け取るときに課税される可能性があることを知っておきましょう。

DCとNISAの基本的な仕組み

DC NISA
投資対象 投資信託、定期預金など 株式、投資信託など
節税メリット 投資時 非課税 なし
運用益 非課税 新しい投資枠に移し替える「ロールオーバー」をする場合、最長10年間は非課税
受け取るとき 退職金と合算して課税。
一時金でもらう場合には、勤続年数などに応じて所得控除がある。
非課税

DCとNISAを利用するときの主なポイント

DC NISA
会社員 ・定期預金ならほぼ確実に節税できる
・大企業は受取時に控除枠を超えて課税、中小企業は控除枠内で非課税の可能性がある
・60歳までに必要なお金はNISAで運用するとよいでしょう
・投資上限は年120万円
・個人向け国債、預貯金などは対象外
・損失が出たら非課税メリットはない
・課税口座と損益通算はできない
個人事業主 ・DCの定期預金より小規模共済の利回りが高いことがある
・小規模企業共済と併用で所得控除枠が拡大する
主婦 ・所得ゼロの専業主婦は掛け金の節税効果はない
・課税所得が発生する年収103万円以上のパート主婦には恩恵がある
高齢者(60歳以上) ・加入できるのは原則60歳未満 ・20歳未満の孫に贈与しジュニアNISAで運用すれば相続税の節税ができる

60歳以上の高齢者はNISAを利用しよう

60歳以上の高齢者は、原則DCを利用できません。
そのため、60歳以上の高齢者が利用する投資優遇税制は、NISAが選択肢になります。
NISAでは、株式や投資信託の運用で利益が出た場合に節税メリットが出ます。

また、孫にお金を贈与してジュニアNISAの口座で運用するのもよいでしょう。
配偶者や子どもなど相続人への贈与は、贈与した人が3年以内に死亡すると相続持参として扱われて節税メリットはなくなりますが、相続人でない孫はルールの対象外です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする